7月30日の日記

2011年7月30日
哀しいアイスティーが氷を鳴らす
のを 聞いては
さよならと、さよならを、認識していく
と 彼女は言った。
「アイスティーっていってもね?ウォッカとラムとジンとテキーラが入っているのよ。」
お酒しか入っていないカクテルなんて、あるの?
「…コーラは嫌い。あのひとが、大好きだった炭酸飲料だから」
とりあえず、このバーに勤務したての僕は、そのレシピを知る事が出来た、ってわけさ。
かろん…
彼女が嫌がる(いや、むしろ聞き耳をたてているのか?)、氷がとけゆく音だけが響く。
かろん…

それから彼女は、たわいもない都市伝説を話し、笑いころげ…
かろん…
やがて、泣きくずれ…
かろん…
カウンターにふせて、眠ってしまった。
約一時間後の閉店時間には、やんわりと彼女を起こし、お会計を済ませて帰っていただく。
それだけだ。

なぜだか、僕も、哀しい。


ああ、もう氷は、とけきってしまったんだな。

あの、哀しくも、優しい音色さえ、聞こえや しない

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