お笑いアセンションロックンロール・ノベル(笑)

コツコツコツ…
職場へ向かう。
コツコツコツ…

よぎる、イメージ。
あまくあたたかな。
…なんだっけ。
思い出せない。
それよか、今日は発注の日だ…それ考えなきゃ…
コツコツコツ…。

酷く疲れた足を、綺麗な海水が洗っている…。
目を開くと…
青、白、青、白…
空、雲、海、砂浜…
どうやら、南海の孤島。
ねぼけまなこの私を見つめるのは…
カラフルインコ、おしゃべりゴリラ、変な男の子。
ﾋｮｳ革パンツの彼は、無言で私を抱き起こし、手作り風のハンモックに寝かせてくれた。
とりあえず、眠ろう。
彼の、ぎこちない撫でかたに、癒されながら…。
目覚めたら、沢山のお魚と木の実。
彼らが採ってきたらしい。私に差し出してくれている。
私は、ききがじったやり方で、火をおこし、それらを料理した。
そして皆で頂いた。
ふいに、カラフルインコがメロディを奏で始めた。
おしゃべりゴリラがリズムを刻む。
彼が、なにか口づさみながら、踊り出した。
私も、でたらめに歌い、でたらめに踊り出した。
星で埋めつくされた空の下…。
踊り疲れた私たちは、ハンモックに横たわり、ぐうぐう眠った。
そして、お日さまに優しく起こされたら…
そんな1日が、また始まる…

コツコツコツ…
コツコツコツコツ…
到着。

タイムカードを打つ。
忘れたままで、生きている。